妊娠検査薬の基礎知識

妊娠検査薬とは、産婦人科の病院へ行く前に、自分で妊娠の可能性を調べることができるキットのことをいいます。薬局でも売っていますので、手軽に利用することができます。精子が子宮に着床すると、女性の体にはhCGというホルモンが分泌されるようになり、それが尿の中にも含まれるようになります。妊娠検査薬は尿の中にhCGが含まれているか否かで妊娠の可能性を探ることができるのです。

 

妊娠検査薬が用いられるようになってから30年ほどになりますが、より使用しやすく精度も高く改良が重ねられています。現在では、正しい使用法と適切な時期を誤らなければ、99%の信憑性があるといわれています。

 

妊娠検査薬での妊娠反応はあくまで「妊娠の可能性がある」ということです。妊娠の確定診断は必ず産婦人科の病院で医師にしてもらってください。妊娠検査薬の陽性反応は、妊娠の可能性だけではなく、稀にではありますが、異常妊娠(子宮外妊娠)などの警告になることもあります。

 

いずれにせよ妊娠初期は妊婦にとって、とても大切な時期です。速やかに産婦人科医師の診断を受けてください。また、陰性反応についても、「妊娠が確認できない」ということですから、生理がさらに遅れているときは再検査、あるいは産婦人科を受診することが大切です。

 

妊娠しているのか、していないのか、それを知ることへの女性の思いは、一概に語れるものではありません。妊娠検査薬は、さまざまなポジションに立つ女性に次のステップを進む方向を示してくれるものといえるでしょう。

妊娠検査薬では、妊娠すると分泌が始まるhCGというホルモンが尿の中に含まれているかどうかで、妊娠の可能性を判断します。hCGは正しくはhuman Chorionic Gonadotropin(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)といい、女性の体が妊娠して初めて作られるホルモンです。

 

精子が着床すると胎盤でhCGが作られ始めます。生理予定日の妊娠4週目ごろから尿の中にhCGが混ざるようになり、妊娠3ヶ月ごろ分泌量はピークを迎えます。そして妊娠が継続している間、hCGはずっと作られ続けます。妊娠検査薬は、尿の中のhCGに反応する試薬を使い、妊娠の可能性を判定します。hCGは妊娠して初めて作られるホルモンであることから、想像妊娠等には反応しません。

 

hCGが尿の中に混ざり始めるのは妊娠4週目ころですが、検査薬の判定に十分な量になるのは、もう1週間待ったほうがいいでしょう。妊娠5週目(生理予定日から1週間後)に入ると判定には十分な量が混入するようになります。一般的に妊娠検査薬の試用期間は妊娠5週目以降となっているのもそのためで、hCGの混入量が十分であれば判定の信憑性は99%にも上ります。

 

もちろん、妊娠検査薬による判定はあくまで可能性を知るためのもので、確定診断ではありません。それでも、より正確な結果を望むのであれば、使用方法と使用時期を誤らないようにすることが大切です。尿を試薬にかけるだけという手軽さは、ともすれば信用できるのかと不安になることもありますが、妊娠検査薬の信憑性はとても高いのです。

妊娠検査薬は、薬局で手軽に購入することができます。女性にとっては妊娠検査薬を購入することに気恥ずかしさを感じることもあるでしょう。そんなときはインターネットでの購入が便利です。インターネットでは購入するだけでなく、さまざまな製品の説明も自宅にいながらにしてゆっくり読むこともできて、比較しながら自分に適したものを選ぶことができます。インターネットでの購入に慣れていなくて抵抗がある場合も、製品の説明だけでもチェックしていけば、店頭で迷わずに済むでしょう。

 

hCGホルモンの検出による判定を行う妊娠検査薬は、販売元が違っても検査の信憑性や使用方法に大差はありません。ほとんどが生理予定日1週間後から検査可能ですが、生理予定日当日から検査できるものも少数ですがあります。また、判定方法で、陽性のみ表示されるアナログ方式のものと陰性も表示されるデジタル方式のもの、採尿部の広さ、検査が適切に行えているかの確認方法など製品によって若干の違いがあります。

 

妊娠検査薬の使用に慣れてしまえばなんということのない違いも、初めての検査に臨む女性には検討するに足りるものではないでしょうか。検査結果はとても大きな意味を持つだけに、納得のできる検査薬を購入することで、結果に対しても信用度が増すと思われます。

 

また、インターネットでは薬局よりも同じ製品が安価に販売されていることがよくあります。また、まとめ買いなどで送料がかからないことも多いので利用できる環境にあればとても便利です。

妊娠検査薬の使用時期ですが、一般的には生理予定日の1週間後(妊娠5週目)以降が望ましいとされています。生理予定日とは、前回の生理開始日に生理周期の日数を加えたものです。

 

妊娠検査薬で判定の基礎となるhCGは、女性が妊娠すると直ちに作り始められるホルモンです。妊娠初期においては徐々に尿の中に混入していくため、判定に十分な量となるまでに時間がかかります。多くの妊娠検査薬のhCG検出感度50IU/Lだと、妊娠5週目以降になると99%の確かさで判定ができます。少数ですが検出感度25IU/Lのものもあり、生理予定日当日(妊娠4週目)以降に使えます。

 

しかし、50IU/Lの検査薬でも生理予定日1週間後以前に判定ができないとは一概には言えるものでもありません。尿の中にはhCGが混入してきているため、生理予定日、またはそれ以前でも妊娠反応が出ることがあります。妊娠は精子が着床したときから始まっているので、生理予定日を基準にすると多少のずれが生じます。

 

しかし、妊娠検査薬での判定結果は女性にとってとても大きな意味を持つものなので、確実な検査のできる日、すなわち、それぞれの妊娠検査薬に定められた日以降の検査をお勧めします。そして、陽性反応が出た場合、必ず速やかに産婦人科を受診してください。

 

生理の周期が不規則で生理予定日がわからないという女性は案外多いものです。そのときは、大体の目安において、セックスした日+3週間後と考えてください。陰性だった場合でも、必ず日をあけて再検査をするようにしてください。

市販されている妊娠検査薬はさまざまな種類がありますが、検査の原理はほとんど同じものです。妊娠検査薬は、女性が妊娠すると胎盤から分泌されるhCGというホルモンが尿の中に含まれるか含まれないかで、妊娠の可能性を判断します。主だった製品の違いとしては、以下のものがあげられます。

 

・妊娠反応の表示がアナログ(陽性のみ表示あり)のものとデジタル(陽性が+、陰性が−)のものがある
・hCG検出の感度が50IU/L(生理予定日の1週間後から検査可能)のものと、25IU/L(生理予定日当日から検査可能)のものがある
・採尿部に尿をかける時間(秒)、検査に要する時間(分)
・検査薬の形状が太いもの、細いもの、滑り止めがついているもの
・作業の過程できちんとできているかを確認できる機能があるもの(尿がかかると採尿部がピンクに変わる、点滅表示で適正作業を確認)
・価格

 

検査の精度も作業手順もほとんど同じと考えて差し支えなく、選ぶときのポイントは、自分がもっとも安心できるものといえます。妊娠検査薬そのものは、きちんとした研究に基づき精巧に作られているのですが、人の体はそれぞれが型にはまらず毎日のコンディションも必ずしも一定とはいえません。採尿部にかかる尿が多すぎても少なすぎても検査は正確にできません。自分が使用しやすい形状のものはどれかを考えてください。

 

また、hCGの分泌量は妊娠初期においては少なく、日に日に増えていくものです。妊娠検査薬の感度は50IU/Lより25IU/Lの方が高く、hCGの量が少なくても有効な検査を行うことができます。価格に関しては、必ずしも考慮する必要はなさそうです。

Q. 妊娠検査薬はいつから使えますか?

 

A. 年齢的にいつから、という決まりはありません。妊娠検査薬は、妊娠すると作られるhCGというホルモンを尿の中から検出することで妊娠の可能性を判定するものです。このホルモンは精子が着床すると作られ始めるものなので、年齢には関係ありません。いうなればいつからでも使えるのです。

 

 

Q. 生理予定日の前後何日目から使用可能ですか?

 

A. ほとんどが生理予定日の1週間後、妊娠5週目から使用が可能です。hCG検出の感度が50IU/Lの製品は、妊娠5週目に入ると一般的には尿の中に含まれるhCGホルモンの濃度条件が整います。精度が25IU/Lの製品もあり、こちらは生理予定日当日からの使用が可能です。

 

 

Q. 生理予定日を過ぎているのに陰正反応はなぜですか?

 

A. 生理予定日を正しく把握していますか?間違っているとhCG濃度が足りなくて正しい検査ができないこともあります。正しく計算をしてみましょう。そのほかにも、異常妊娠(子宮外妊娠)胎児異常(死亡、流産)胞状奇胎などのこともあるので、引き続き生理が始まらないときは必ず産婦人科を受診してください。

 

 

Q. うっすらと陽性反応がある場合は妊娠していますか?

 

A. 妊娠している可能性が認められます。妊娠検査薬は尿の中のhCGに反応します。うっすらとでも反応があった場合は尿の中にhCGがあるということです。hCGの濃度に反応の色の濃さは影響されます。また、hCGは日を追うごとに分泌量が増えてくるものなので、はじめ陽性反応が薄くても心配ありません。

 

 

Q. 子宮外妊娠でも陽性反応は出ますか?

 

A. 子宮外妊娠でも陽性反応は出ます。しかし、陰性反応が出るときもあるのです。hCGの分泌が正常な妊娠とは違うため、尿の中の濃度により陽性、陰性どちらもありうるのです。陽性反応が出たときもそれが正常な妊娠であるかは、産婦人科での確定診断を受けなければわかりません。陰性反応であっても、引き続き生理が始まらなければ産婦人科の受診が必要なのはこのためです。

 

 

Q. 薬の服用や飲酒は判定に影響しますか?

 

A. 薬局で売っている薬や病院で処方される薬が妊娠検査薬の判定に影響を及ぼすことはありません。ただ不妊治療でhCG投与の注射をした場合、hCGが尿の中にも含まれるので妊娠検査薬では陽性反応が出ます。使用に際しては医師に相談してください。飲酒も判定には影響ありません。